24日に、
演劇集団キャラメルボックスの公演『夏への扉』お昼の回を観に行ってきた♪
1970年、ダニエル・デイビスは失意のどん底にいた。
大学で機械工学を学んだダニエルは、親友と二人で会社を設立。ハイヤード・ガールと名付けたロボットの開発に成功した。が、婚約中の恋人と親友が仕組んだ罠に嵌められ、会社とロボットを奪われたのだ。ダニエルに残されたのは、飼い猫のピートだけ……。
彼は裏切り者二人への復讐を誓うが、逆に捕らわれの身となり、コールドスリープの冷凍場に送られてしまう。そして、長い眠りから覚めた時、そこは30年後の、2000年だった!会社は?ロボットは?そして、愛猫ピートは?すべてを失ったダニエルは、起死回生の一手を打つ!
信頼していた友・マイルズと恋人・ベルの裏切りに合い、失意の底から立ち上がって復讐を試みるも失敗。全てを失った状態から、立ち上がり走り抜ける畑中智行さん演ずるダニエルの姿に勇気と元気を貰えた
。
2000年に目覚めたダニエルを支え助ける人々、ダニエルの心の支えとなっていたマイルズの(義理の)娘・リッキー。悲劇や絶望に打ちひしがれても、人は1人じゃないのだと教えてくれる
心根からの悪人にはなりきれなかった感のあるマイルズに対し、ベルの徹底した悪女っぷりにぞぞっ
興奮するダニエルに注射を打って眠らせる手際の良さ、理知的なマイルズすらも手玉に取る魔性ぶり、頭の回転の早さは自分の目的を果たすためと危機を回避するためだけに働き、自分に反発する者は猫であろうと容赦しない非道さetcetc
ここまでの悪人は今までのキャラメルの舞台には存在しなかっただろうなと思う。ベルを演じた岡田さつきさん、お見事
ダニエルから発明品のロボットに会社にと全てを奪ったベルだけど、2000年に再会した彼女はすっかり落ちぶれていた。悪人には相応の未来が待っているという展開も安心して観ていられる。
ダニエルの愛猫・ピート。
"尋常じゃなくデカイ猫(笑)"筒井俊作さんが演じるピートは、猫の着ぐるみやネコミミなんかを付けてるわけじゃないのだけど、巨大なボストンバッグから顔を出す仕草やベル達との闘争など、全ての所作が猫のそれっぽく見えて、愛らしく頼もしい素敵な猫だった
1970年から2000年、そして再び1970年へと、舞台上の時間は複雑に進む。
奪われた全てを取り戻すために、そして幼かったリッキーとの大切な約束を果たすために、諦めず走り続けたダニエルの姿に惹きつけられた
信じていた人物に騙され失意のどん底にいたのに、それでも人を信じられるダニエルの強さに憧れる
そんな彼の強さが、回りの心を動かし協力したいと思わせるのだと思った。
喪失からの起死回生、困難に立ち向かう事、人を信じる心。今の状況に相応しい、生きるエネルギーを貰える舞台だった
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