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創作裏話、Web拍手御礼、マイブームなど。
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    キャラメルボックスXmasツアー『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』

    昨日はキャラメルボックスのクリスマスツアー、『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』お昼の回を観に行ってきた♪

    テレビドラマの脚本家・根室典彦は、来期の仕事を取る為マネージャーの真知子と共に、テレビ局のプロデューサーを接待していた。「前向きに検討する」という言葉だけに終わった長い接待の後、典彦は秘かに想いを寄せていた真知子を自宅に誘う事に成功する。真知子に想いを告げようとした正にその時、インターフォンが鳴り響いた。渋々扉を開けると、そこに立っていたのは若い女性。彼女は日高いぶきと名乗り、典彦を「お父さん」と呼んだ。14年前に離婚して以来一度も会っておらず、母親の亜希子と共に札幌で暮らしているはずのいぶきは、原稿用紙の束を取り出し「自分の小説を本にしたいから出版社の人を紹介してほしい」と言い出した。典彦は14年ぶりの再会の唐突さに戸惑い、そして立て続けに舞い込む仕事のトラブルを前にほとんどいぶきと向き合えない。すれ違い向き合えない典彦といぶきを家族と同僚達が気遣う中、典彦の同僚で作家の砂川はある事に気付く。いぶきの正体とその真の目的とは……?

    父娘の、そして家族の絆の物語。それでいて「泣かせよう感動させよう」というあざとさが無く、素直にジーンとできた[[pict:yellow2]]笑い所も満載♪
    典彦の事務所・ダブルハーツの雰囲気がとても温かくて、気が弱く頼りなさげな印象の典彦ですが努力家で大きな器をしていて、尊敬され慕われる人柄の持ち主だというのが伝わってくる。
    典彦のかつての教え子で今は共に仕事をする砂川の、知的な売れっ子作家でありながらまったく驕った所のない優しい穏やかな雰囲気に惹きつけられたし、事務所のマネージャー・真知子の献身的な仕事ぶりはダブルハーツの温かさの象徴のよう。典彦に対し恋愛感情は無さそうで、夢を追い勝手に物事を決めたご主人に腹を立てつつも見限れない、強さと優しさを兼ね備えた真知子のような女性は憧れる[[pict:kirakira2]]そして妄想を大暴走させる、笑わせ所の岩見沢の存在感が強烈! 何度も暴走して典彦に激しいツッコミ(飛び蹴り喰らってたり[[pict:bikkuri]])を受けるんだけど、こういうのって下手に暴走を繰り返すとくどくなってしまう所を、素敵な三枚目っぷりを発揮されていて愛らしかった[[pict:niko]]
    で、病気で他界し幽霊として家族の傍にいる典彦の父・孝造が、自分が見えると言ういぶきとの会話の中で「苦労をかけた妻の花絵に何もしてやれなかった、せめて傍にいて見守りたい」といった事を語り、この物語のタイトルをさらりと口にしたシーンと、「あの人が傍にいる事はわかっている」と言った花絵にジーン[[pict:yellow2]]
    14年前、自分の過失でいぶきに大怪我をさせ、溝が出来始めていた亜希子との離婚を決定付けてしまい、自身も深く傷ついた典彦。淡々とした調子の台詞の底に流れる、家族への想いや物書きに対する不器用だけど熱い想いを感じた。
    そしていぶきのころころと変わる表情、喜怒哀楽の表現の上手さに目を見張った[[pict:bikkuri]]素直になれず生意気になってしまったり、手料理を典彦に食べてもらおうと奮闘する姿、食べてもらえなくて怒る様等などに、14年間会えなくても父親の事がすごく好きなんだと感じさせた。いぶきが典彦に会いに行く際に立てた目標を一つ一つ語るシーンにうるうる[[pict:yellow2]]。

    終盤で明らかになるいぶきの真実、そしていぶきの強い想いが起こした奇跡に胸を打たれた。
    非現実的な事態が起きてるけど、たとえいぶきが××××(重要な部分なので伏せ)でなくても、いぶきは典彦に会いに来ていたと思う。
    家族の絆は時間も場所も離れていても、深く繋がっているものなんだと感じた。この事をきっかけに典彦と亜紀子のよりが戻るといいなぁなんて思ったり[[pict:yellow18]]
    クリスマスに相応しい、心温まる素敵なお話だった[[pict:meromero2]]

    それと今回初めて、ロビーで売り子をされていた役者さんと少しだけお話できた[[pict:symbol4]]
    優しい目をしたカッコイイ人だった〜[[pict:symbol4]][[pict:symbol4]]

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    映画『容疑者Xの献身』

    やっと『容疑者Xの献身』観に行けたぁ。

    いろいろと違いがあるものの、あらすじは原作とおおよそ同じなので端折るとして。
    原作を先に読んでイメージがあるので「ちょっと違うなぁ」と思ったところがいくつか……[[pict:yellow4]]
    「数学以外に何にも興味が無い」という石神の趣味が登山ってそれはちょっと……。
    で、ガリレオシリーズの中でも特にこの作品は「男同士の友情」にも重きが置かれてると思うから、刑事の友人であり容疑者の友人でもある湯川の苦悩が原作よりも伝わりにくいような気がした。特に終盤の「友人として聞いてほしい」という湯川の台詞は、友人である草薙刑事相手に言うからこそぐっと来るのになぁ[[pict:yellow4]]

    誰も幸せになれない結末、やりきれなくて悲しいけど、それでも石神の想いは美しいものだった[[pict:yellow2]]堤真一さんの演技に石神の想いが詰まってて、キャスティングを聞いた時には「石神が堤さんってかっこよすぎるんじゃ?」と思ったんだけど、映画の中の堤さんは石神哲哉そのものだった。(余談だけど、原作を読んで私の脳内イメージの石神は温水洋一さんんだった^^;)
    印象に残ったのは、「四色問題」についての「隣り同士が同じ色になってはいけない」という言葉。原作では湯川と石神が出会った頃のエピソードなどで話題になっていただけだったけど、この言葉が、自分と隣人の靖子は同じ色になれない、靖子と自分が結ばれる事はないんだという悲しい事実を石神が自分自身に突きつけているようで、それでも靖子を守るという決意の悲壮さに胸が痛む[[pict:yellow2]]。自分の人生はおろか他人の事もどうでもよくて、靖子自身に自覚が無くても、自分の心を救ってくれた彼女を救い守りたい、見返りなんか無くていい、こんな愛し方もあるんだと感じた。
    もちろん、石神のその行為は到底許されるものではない。石神の築き上げたトリックを知った湯川の衝撃と悲しみも胸を打つ。「真実を証明しても皆が幸せにならない」と石神は言うけど、―真実を知らないというのは、時には罪悪でもある ―これは原作の一文で、そんな罪悪を背負っていてはやはり誰も幸せにはなれない、靖子に真相を告げてしまった湯川の気持ちも、わかるような気がする。

    冒頭で愛情について内海と湯川が話すシーン、湯川は「愛についてなんて考えるだけ無駄だ」といった発言をするけど、石神の深く献身的な愛情を目の当たりにした湯川が今ではどう言うのか、聞いてみたいと思った。

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    『鳥人計画』 東野圭吾

    スキーのジャンプをモチーフにした東野圭吾さんの作品。割と初期のもの。

    スキージャンプのホープとして期待を背負っていた22歳の天才ジャンパー・楡井明が殺された。犯人を密告する手紙が警察の元へ送られ、犯人の元にも自首を勧める手紙が届く。やがて逮捕されたのは、アリバイもあり最も動機が無いと思われた楡井のコーチ・峰岸だった。留置場で峰岸は完全犯罪を打ち破った密告者は誰なのか、何故破られたのかを探る。一方、動機や手口を黙秘する峰岸を前に、警察はある選手に目をつける。楡井をそっくりそのままコピーしたかのようなジャンプを見せる杉江翔。練習場で彼らは科学を駆使したシステムを取り入れた翔の父でありコーチでもある泰介と、泰介の下過酷な科学的特訓を繰り返す翔の姿を目の当たりにする。翔の特訓と楡井殺人事件の関連を探るうちに、恐るべき計画が浮き上がってくる。それは科学力を駆使し天才ジャンパーを量産するシステムだった―

    犯人が早い段階で明らかになり、その後は犯人を密告した人物についてと、犯人が殺人に至った動機を探っていく、という変わった手法のミステリー。そして単なるミステリーでなく、「スポーツに科学を取り入れる事は正しいのか、どこまで許されるのか?」といったテーマがあり、むしろそちらが見せ所となっているように思う。
    科学に基づく過酷な特訓を続け人間らしさを失っていく翔の姿、そのモデルとして泰介に利用されコーチに殺された楡井、彼らの姿に胸が痛む[[pict:horori]]選手は駒ではない。選手をサイボーグのようにしてまで勝つ事に意味はあるのか。けど勝てなきゃ努力も苦労も評価されない、結果が全てのスポーツの世界の怖さを感じた。
    最後の最後で、翔が人間らしい一面を見せた事で、この物語の読後感が救いのあるものになってる。

    「現在のスポーツ界において、人間らしさとは敗北を意味する。それとも科学を駆使した勝利よりも、人間らしさを追求した敗北の方が価値があるとおっしゃるのですか。」
    これは作中の台詞。難しい問題だと思う。ハイレベルな戦いになればなるほど、勝つ事の意味が重くなってくるんだろう。勝つ為の努力や肉体改造は当然の事なんだろうけど、それでもスポーツは人間の戦いであってほしいと思う。スポーツ音痴な奴の戯言なのかもしれないけど[[pict:yellow4]]

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    映画『パコと魔法の絵本』

    小説を読んで大感動した『パコと魔法の絵本』、ようやく映画版を観に行けた♪

    あらすじは小説版とほぼ同じなので端折るとして。
    Webサイトで予告編を観た時には、「これってCGにする必要があるのかな?」って疑問を感じたけど、劇場で観て納得。あれはパコが見ているイメージだったんだ。役者さんの演技とCGとが交錯する劇中劇のシーンは全く違和感なく、心躍らせてくれる素敵なシーンになってた[[pict:kirakira2]]
    大貫老人、序盤は小説同様腹の立つ人なんだけどが、中盤以降は眉間に刻まれた縦皺さえも優しいものに見える。パコの事を知り自分の行いを反省して泣き出す大貫と、それを見守る浅野医師のシーンは知っていてもやっぱり涙が出た[[pict:yellow2]]
    元有名子役・室町の傾いている病室と、レトロなおもちゃが散らばる中に浮かぶ子役時代の彼の幻影達が、室町の追い詰められっぷりを更に際立たせていて、半狂乱になる彼の姿は怖いくらい[[pict:hi]]そんな室町を想う看護士・タマ子が、自分のロッカーに貼った子役時代の室町の写真を見せ、「下手でも何でもいいから見せてくれよっ!」と叫ぶシーンも胸を打たれる[[pict:yellow2]]
    そして何よりパコ役のアヤカ・ウィルソンがめちゃくちゃ可愛い! 本当の天使のような微笑みと無邪気そのものの立ち振る舞い、まさに「天真爛漫」を具現化したような存在[[pict:kirakira2]]将来も美人さんになりそう♪
    CGが駆使され、登場人物はメイクも性格も濃い人ばかり、過剰な演出やカメラ目線になる登場人物もいたりと、一見リアリティのない世界のようだけど、その奇抜な見た目がかえって登場人物達の感情をくっきりと浮かび上がらせてくれていて、嘘のないそれぞれの想いに心揺さぶられた。そして役者さん達が、この作品を思いっ切り楽しんでいる事が伝わってくる。

    楽しさあり感動あり、心が洗われる映画だった。DVDが出たら絶対買うぞ♪何度でも繰り返し観たい作品だった[[pict:meromero2]]

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    『天国にはまだ遠く』

    本屋さんで平積みされてて手に取ってみた瀬尾まいこさんの作品。11月に映画化が決定しているらしい。

    仕事も人間関係も上手く行かず、息詰まる日々を送っていた23歳の千鶴は会社を辞め死ぬ事を決意した。部屋を整理し列車に乗って向かったのは日本海沿いの町。辿り着いた山奥の民宿「たむら」で、最後の食事と入浴を済ませた後、飲まずに溜めておいた睡眠薬を飲み眠りについた。だが、翌朝爽快な気分で目が覚める。死のうという気が薄れた千鶴だったが、何かを始める気も起きずのんびりと過ごす。宿主・田村の大雑把な優しさや、周囲の人々の大らかさ、自然に囲まれた村、かつてない満ち足りた気分で日々を過ごしていた千鶴だが、ある時ふと気付く。ここに、自分の居場所はないのだと―。

    ストレスを溜め込んでしまった千鶴の姿は、現代を生きる人のほとんどに重なるんじゃないかと思う。死のうと思いつめた千鶴が死に場所として選んだ山奥の集落で、千鶴は思いがけずたくさんの素敵なものに出会う、大自然と、大らかな人々、都会にはないそれらに触れて心癒され、少しずつ本来の自分を取り戻していく様に私自身も癒される[[pict:kirakira2]]
    都会での生活を忘れ、したい事をして過ごすうちに「ここに私の居場所はない」と気付く流れが、とても自然にさりげなく描かれていて共感できた。この地で守らなきゃいけないものもなく、「客人」としてもてなされる生活の中で、「酔いはいつか醒めてしまう」と、これじゃいけないと生きる希望が湧いてくるのはごく自然で健全な事なんだろうな。
    武骨な田村と千鶴の不器用な関係も和む[[pict:meromero2]]

    ―何十年かけても変わらないこともあるけど、きっかけさえあれば気持ちも身体もいとも簡単に変化する。それにもっと敏感に対応していかないといけない。そう思った。―
    本当にその通りだなって思う。そのきっかけはきっと、どんな所にでもあるんだ[[pict:yellow16]]

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